資本金1万円で2年目に売上1億
若かりし頃、収入アップを目指して「稼げる」と言われた水道屋の仕事に転職した私を待っていたのは、数字に追われる毎日でした。
売り上げを出さなければならないプレッシャーと、働きづめの毎日で精神的に参ってしまい、再度の転職を決意して新しい仕事先を探しました。
そこでご縁をいただいたのが、法人企業の住宅設備の駆け付け対応の会社でした。
管理会社や保険屋などから依頼が入り、ご入居様のお宅へ伺い設備の修理をする、という業務なのですが、これが私にとっての天職となりました。
それまでの経験を生かしながら、やりがいを持って働く中で、何よりも嬉しかったのがお客様からの「ありがとう」の言葉でした。
いつか独立したいという夢を抱くようになり、数名の同志と共に『風神Partners』という会社を立ち上げたとき、資本金はわずか1万円でした。
それでも、以前よりお付き合いいただいている管理会社様や、関係者様のお引き立てやご紹介のおかげで、2年目には約1億円の売上を達成するに至り、今も会社は成長を続けています。
お力を貸してくださった皆々様、そして立ち上げメンバー、何よりも、ご依頼くださった全てのお客様に、心から感謝しております。
従業員の生活の質がサービスの質
1年、2年、3年と経過するごとに売上も上がり、新しい仲間も増えていきましたが、新たな試練が立ちふさがりました。
その試練とは「クレーム」でした。
当時は、起業して間もないこともあり、競合との差別化のため低価格で仕事を請けていました。
従業員の給与も、仕事に対して十分に支払えていないと苦慮していたのですが、それがモチベーションを下げて仕事の質も下げてしまっていたのかもしれません。
クレームが増えれば「安かろう悪かろう」のレッテルが貼られ、仕事は減り従業員の給与も下がるという悪循環に陥ります。
そこで、サービス価格を見直すことや、従業員のモチベーションアップや働き方について本気で考えました。
仕事と生活のバランス
私自身、今の仕事も、前職でも、常に誠意を持って仕事にまい進してきたと自負しております。
自分の仕事は責任を持って完遂することが当たり前という考えから、仕事は休めないし、家族のためにも仕事を優先するというのが当たり前でした。
しかし、本当にそれでいいのだろうか。
そう、自問しました。
「時間がない」「休みが取れない」を理由に、子どもたちと過ごす時間も、一緒に出かける機会も失われていく中で、子どもたちはどんどん大きくなっていきます。
・上がらない賃金、寝るだけの休日、休日にかかってくる呼び出しの電話……
・その繰り返しの中で、対応が悪い、対応が遅いと、クライアントや上司からお叱りをうける……
・最後には家族に「そんな仕事やめればいいのに」「どうせ家族より仕事なんでしょ」と愛想を尽かされる……
そんな経験がある方も、少なくないと思います。
改めて考えてみると、仕事と生活のバランスを取ることの難しさと、大切さを痛感させられます。
生活のための仕事
生活するためには仕事をしなければならない。でもそのために生活を犠牲にする。
また、会社の中でみんなが同じことをしているから、自分もしなければならない。
みんなと同じことをしなければ、自分の会社での居場所がなくなるかもしれないという恐怖。
そんな状態で仕事をして、果たして「良いパフォーマンス」が出せるのだろうか。
そう自問してみると、答えは「NO」でした。
もちろん、仕事をする上で、責任感や危機感は必須です。
それは、これまでの私の経験上、ハッキリと断言できます。
しかし、それ以上に、自分が楽しくない、辛い、という思いの中でする仕事で、質の良いサービスが提供できるとは思えないのです。
営業の仕事をしていた頃、上司が「相手と同等以上の経験がなければ、そのものは売れない」と言っていました。
働く側の人間が満たされており、胸を張って良いと思って提供しているサービスこそが、質の良いサービスなのだと、今では理解できます。
良い生活があって、良いサービスが生まれる
色々考えた結果、良い生活、満たされた生活があってこそ、良いサービスが生まれるという結論に至りました。
では、「良い生活」とは何なのか。
それは人それぞれだと思います。
何もせずゴロゴロして、働かずにお金が入ってくることを「良い生活」と捉える人もいるでしょう。
しかし、私は少し違う考えです。
「心配や不安がなく安定した環境下で、経験と努力に基づく成功体験を重ね、成長しながら満たされていく」生活が、良い生活だと思います。
何もせずに過ごすのはつまらない、と思いますし、
何もしないでお金が得られるというのは、そんな簡単な話はないと思います。
だからこそ、自分を高めていき、レベルアップして、仕事に生かしながら生活の質も上げるということを目指したいと思うのです。
仕事のための生活ではなく、生活のために仕事をしながら、
より経験を積み向上・成長していけるような、そんな上方向のサイクルを生み出せるのが理想です。
弊社は、そんな生活と働き方を実現できる会社を目指します。
良質のサービスはチームワークから
開業して1年目、とある現場でお取引先の方から「しっかり締めるところ、締めてください」と強くお叱りいただいたことがありました。
現場をしっかりと締めないのは管理者の怠慢であり、良いサービスは決して提供できないと厳しくご指導いただきました。
良いサービスを提供してきたつもりでいた私は、この言葉に打ちのめされました。
まだまだだった、という現実を突きつけられ、目が覚めました。
弊社として、良いサービス提供のために従業員の生活の質を第一に考えることはもちろん、「締めるところは締める」という言葉を常に胸に、従業員全員が責任感をもち仕事に臨むよう指導しています。
現場に出向く従業員のみならず、事務職や受付など、全従業員がそれぞれの責務をまっとうし、ひとつのチームとして最善のサービスを提供できるよう、日々精進しています。
厳しい言葉をくださったお客様には、今も感謝しております。
会社の発展と全ての人の幸せのために
創業よりたくさんの方のお力を借り、会社を成長させてきました。
お客様やお取引先様からのご意見やご指導、また、社内の人間の声により、今では駆け付け業務を行う企業の中でも、トップレベルで良質なサービスを提供できていると自負しております。
組織は構成する人材がいて成り立ちます。人材の確保と技術研究を重ねてより一層向上していくことが、今後の命題と考えております。
会社の規模の拡大に伴って従業員の生活の向上に努め、より良いサービス提供力に変換してまいります。
お客様の生活の質を向上させる
・一人一人が自分の仕事に責任と喜びをもって取り組む
・すべてにおいて一人ではなく輪の中である事を意識する
・自分だったらとお客様や仲間の立場になって考える
・今、できないから終わりではなく、どうしたら出来るかを一緒に考える
・すべての行動は意識から、まずはいかなる時も敬称をつける
以上の事を意識して日々の業務に取り組み、良いサービスを提供することを、社内にて全社員に共有しております。
弊社のサービスが、お客様、オーナー様、管理会社様の生活の質を向上させる一助となれば幸いです。